じいちゃんが書いた自叙伝 Chaper.5 〜仙台陸軍飛行学校入校〜 Section.12015.07.09 16:07 親任式を済ませた昼頃だった。郵便屋さんが、私宛の軍事郵便を届けられた。もしやと不安な気持ちで開封して中身を見ると、陸軍航空総監からの命令書だった。「十月七日午前十時に、仙台陸軍飛行学校に入校を命ず」という命令書だった。いつかは来るものと覚悟はしていたが、一瞬目の前がかすんで、も...
じいちゃんが書いた自叙伝 Chaper.4 〜師範学校入学〜 Section.52015.07.08 15:58 毎日、全く初年兵と同じ訓練を受けながら、軍隊の厳しさを身にしみて体験した。軍隊というところは、年齢、経歴には関係なく、1日でも早く入隊した者が先輩ということで、絶対服従という戒律ができていた。いずれは、このような生活が近く待っていると思いながらの2週間だった。この体験入隊が済ん...
じいちゃんが書いた自叙伝 Chaper.4 〜師範学校入学〜 Section.42015.07.06 15:04 こうした1年も過ぎて、4年生になったが、当時は3年生までを予科と呼び、4年生から本科生と言っていた。本科生になると、中学校からの編入生と共学になり、学級編成が行われた。その後、学制改革により、本科は修業年限が1年延びて3年間となった。 世相は、ますます戦時色が強くなり、軍事教練...
じいちゃんが書いた自叙伝 Chaper.4 〜師範学校入学〜 Section.32015.07.04 14:53 それから、毎日元気付けながら看病に努めたが、少しも病状は回復しないまま、ひと月後に、37歳の若さで息を引き取った。母はどれほど私の卒業を楽しみにしていただろうかと考えると、無念さがこみ上げて泣けて仕方なかった。 母の葬儀を済ませ、夏休みも終わって学校に帰っても、これからの祖母の...
じいちゃんが書いた自叙伝 Chaper.4 〜師範学校入学〜 Section.22015.07.03 16:27 外出は日曜日だけとなり、外出日になると食堂に寄って、うどんや団子を腹一杯食べるのが唯一の楽しみだった。2年生の新学期が始まって、母からも時折、家族の元気や様子や、近所のことなどを知らせた手紙が来ていたので、安心して寮生活を送っていた。ところが5月の中頃だった。珍しく父からの手紙...
じいちゃんが書いた自叙伝 Chaper.4 〜師範学校入学〜 Section.12015.07.02 16:15 昭和13年4月8日、待ちに待った師範学校入学の日を迎えた。入学式には、父が付き添ってくれた。宮崎に着いてから、先ず、受験の折にお世話になったN山先生宅を訪れてお礼を申し上げた。元気で頑張るように激励の言葉をいただいた。当時5年生に、塩見出身のM木さんが在学されており、色々と面倒...
じいちゃんが書いた自叙伝 Chaper.3 〜師範学校合格〜2015.07.01 15:26 合格発表は1週間後、学校宛に電報で通知されることになっていた。二晩お世話になったN山先生と奥様に厚くお礼を申し上げて宮崎を発ち、家に帰った。母はいろいろ尋ねたが、もし不合格だったら工業学校の建築科を受験して、将来は父の後継ぎをしようと考えた。やがて合格発表の日がやってきた。学校...